WIRES#014は,全長1.4m,質量40kg,到達高度は1kmほどの小型のロケット実験機です.機体構造や機械装備,電気装備系をほぼ学生自身が設計・製作をしています. これまでに飛行実験での硬着陸や燃焼試験での焼損を経て,3代目の機体を2015年11月に打ち上げました.現在はその改良設計を行っており,同じ機体を用いてWIRES#014-3Aとして再度飛行実験を目指しています.
WIRES#015はサブオービタル飛行に必要な要素技術を統合的に実証する実験機です.全長4.6m,打ち上げ質量1ton,頂点高度6kmで,アメリカでの飛行実験を予定しています.国内の企業や機関,国外の大学とも連携した産官学連携の開発プロジェクトです.
 有翼式宇宙輸送機は,機体設計と飛行軌道設計が相互に影響しあうため,これらを独立して設計することができません.そのため,通常の飛行機や使い切りロケットとは異なり,システムレベルでの設計手法が確立していません.そこで,複数の設計分野で構成されたシステムを統合的に最適化することを可能にする,システム最適化(複合領域最適化とも呼ばれる)の研究に取り組んでいます.  複雑かつ大規模な設計最適化問題を効率よく解くための手法について研究すると共に,それを応用して有翼サブオービタル機などのシステム設計を行っています.
 使用型宇宙輸送機は,地上静止状態から加速・上昇した後にミッションを遂行し帰還するまで,幅広い環境を飛行します.特に,音速を超える超音速や極超音速域での飛行技術には,空気の圧縮性に起因する様々な課題があります. 本研究室ではその中でも,高速飛行環境を考慮した空力形状の設計手法とエアデータ(飛行中の誘導制御に使われる高度・速度・空力姿勢等の情報)の計測技術の研究に取り組んでいます.数値流体力学 (CFD) などの数値計算を用いるともに,外部の研究機関と連携した風洞実験も活発に行うことで,研究を進めています.
航法から得られた状態量をもとに,設定した誘導則により飛行可能な目標軌道を生成し,それを実現する目標状態量を与えます.与えられた目標状態量に追従するように制御則により制御対象へ操作量を与えることで,目標軌道を実現させます.