高速空気力学

 ロケットエンジンを搭載した有翼サブオービタル機は,低迎角での推力上昇,高迎角での大気再突入,中程度の迎角での帰還滑空を行うため,それに適した空力性能を有していなければなりません.その際に重要になるのは,「揚力/抗力」で定義される揚抗比の他に,所望の迎角を維持しつつ飛行できるかを決めるピッチングモーメント特性です.
 本研究室では,超音速域での揚抗比の最大化に加えてピッチングモーメント特性に関する指標(空力中心移動量)を目的関数とした超音速翼型の多目的最適設計に取り組んでいます.様々な特性を有する翼型群を得る為に,階層的クラスタリングを動的に適用した島モデル型遺伝的アルゴリズムである,「動的分散遺伝的アルゴリズム」を新規開発し,適用しています.
 通常の飛行機にはエアデータ取得のためにピトー管が搭載されていますが,高速飛行中には衝撃波発生に伴う熱的な問題により使用することができません.そこで,ノーズ先端付近の圧力孔での圧力を測定することでエアデータを推定するFADS (Flash Air Data Sensing) システムに注目し研究開発を行っています.特に,冗長な数の圧力孔と圧力センサを採用することで耐故障性を実現することを目指しています.
 そのために,エアデータ推定アルゴリズムの構築と,その較正データ収集のための風洞実験に取り組んでいます.冗長な数の圧力測定値を用いることで,エアデータ推定値が不定になりうるという従来のアルゴリズムの問題を解決でき,さらに,故障時にもエアデータを正常に取得できるようになります.

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