有翼ロケットの開発に向けて、2005年から2008年にかけ、モデルロケット用の固体モータを利用した小型実験機であるWIRES#001からWIRES#010を設計製作し、マイコン・GPS・姿勢センサ等の搭載機器の動作確認や,パラシュートの放出機構の検証を目的に、飛行実験を実施しました.
WIRES#011はGPS, ADS, IMU等の飛行データの取得と上昇フェーズでの誘導制御飛行を目的とした宇宙システム研究室で最初の有翼ロケット実験機です. 全長0.9m,質量7.8kg,高度は最高で400mまで上昇します.現在では飛行実験は行っておりませんが,この機体で培われた技術は現在の設計開発に活かされています.
WIRES#012は,CFRPによる機体構造の成型技術の確立と回収システムの実証を目的としたWIRES#014開発に向けた予備実験機です.機体主形状はWIRES#014と同じで,主翼と尾翼の代わりに4枚のフィンを装備しています.到達高度は800mです.2度の飛行実験失敗を経て2011年9月29日に飛行実験に成功しました.飛行実験に成功後,IHIエアロスペース社と共同でパラフォイルによる自律誘導飛行を目的とした飛行実験も行いました.
WIRES#014は,全長1.4m,質量40kg,到達高度は1kmほどの小型のロケット実験機です.機体構造や機械装備,電気装備系をほぼ学生自身が設計・製作をしています. これまでに飛行実験での硬着陸や燃焼試験での焼損を経て,3代目の機体を2015年11月に打ち上げました.現在はその改良設計を行っており,同じ機体を用いてWIRES#014-3Aとして再度飛行実験を目指しています.
WIRES#015はサブオービタル飛行に必要な要素技術を統合的に実証する実験機です.全長4.6m,打ち上げ質量1ton,頂点高度6kmで,アメリカでの飛行実験を予定しています.国内の企業や機関,国外の大学とも連携した産官学連携の開発プロジェクトです.