複合材製タンク

ガスバリア性に優れた複合材料

水素ガスバリア性の高い粘土膜「クレースト®」をCFRPに積層することにより,水素ガスバリア性が高い複合材料を発明しました.

  • 特許第5294609号「ガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック並びにそれらの製造方法」
  • United States Patent, US 7,981,500 B2, July 19, 2011, “Carbon Fiber Reinforced Prepreg of Gas Barrier Properties, Carbon Fiber Reinforced Plastics and Method of Producing the Same”

ガスバリア性に優れた複合材製の超高圧水素ガスタンク

ガスバリア性に優れた複合材料を用いて,ライナー(タンク内殻)をオートクレーブ成形し,その上からフィラメントワインディングによる補強して超高圧水素ガスタンクの試作を行いました.また,水による耐圧試験も行いました.

タンク仕様

常用圧力 70 MPa
内容積  4.3 L
長さ        380 mm
外径        170 mm

ガスバリア性に優れた複合材製の液体水素タンク

ガスバリア性に優れた複合材料を雄型を使ってハンドレイアップして,オートクレーブ成形し,液体水素タンクの試作を行いました.
液体水素の充填試験(充填圧力2MPa)を行い,ヘリウムによるリーク試験も行い漏れがないことを確認しました.

タンク仕様
常用圧力 1.2 MPa
内容積  4.3 L
長さ   380 mm
外径   170 mm

米国試験材料協会ASTM D 2512-95に準拠した液体酸素適合性(衝撃着火)試験

液体酸素などの強い支燃性がある液体の容器材料の適合性について,ABMA式の衝撃試験装置により,判定します.

炭素繊維の衝撃着火特性

炭素繊維は,引張弾性率が高い程,衝撃着火率が下がることを発見しました.

また,引張弾性率と熱伝導率に相関関係があることから,衝撃による摩擦エネルギーが炭素繊維自身の熱伝導で散逸することにより,酸素との結合エネルギーが不足して,衝撃着火が起きにくくなると理解できました.

プラスチックの衝撃着火特性

沢山のプラスチックの中で,PC(Poly Carbonate),Poly Ether Ether Ketone),PI(Poly Imide), PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene),ETFE(Ethylene Tetra Fluoro Ethylene)やPFA(Per Fluoroalkoxy Alkane)に液体酸素適合性があることが分かりました.

高弾性のピッチ系炭素繊維とこれらの液体酸素適合性プラスチックとの組み合わせによる「難燃性炭素繊維強化プラスチック」を発明として,特許出願(特許願17016)しました.
また,科学技術振興機構JSTの助成により,米国,中国,フランスとドイツにも“Fire retardant material”としてPCT(Patent Cooperation Treaty)出願中です.

CFRTP-PC(Carbon Fiber Reinforced Thermoplastic-Poly Carbonate)の液体酸素タンク局面成形試験

アルミ合金製の雌型を使って,CFRTP-PCをハンドレイアップし,オートクレーブによる液体酸素タンクの局面成形性の評価を行いました.

複合材製液体酸素タンクの口金付近の部分構造試験

CFRTP-PCを使った複合材製液体酸素タンクの口金付近の部分構造を製作し,リーク試験を実施した結果,特に漏れ等の問題はありませんでした.

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